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グループホームでの体験談【介護のやりがい】

グループホームでの体験談【介護士のやりがい】

グループホームとは、認知症高齢者対応共同生活介護施設です。

5人~最大9人の定員で、専門の介護スタッフが援助しながら共同生活を送ります。

グループホームには、認知症と診断された65歳以上の高齢者が入居しています。

認知症と一言で言っても数種類の認知症があり、その症状は十人十色で、筆者が働いていたグループホームも9人の利用者さんがいましたが、症状はそれぞれでした。

認知症を起こしている病気プラスその方の元々の性格、生きてきた環境、既往歴などさまざまな要因があって色々な症状が現れます。

筆者は当時、グループホームで毎日1人夜勤だったので、深夜~朝にかけて本当に色々なハプニングやトラブルが毎日のように起こります。

今回は、9人の利用者さんの中でも、特に印象に残っている2人の利用者さんとの体験談をお話ししたいと思います。

グループホームで印象に残る利用者さんたち

・ハイハイおじいちゃん

印象に残っている利用者さんの一人は、Sさん(85歳)いつもニコニコ穏やかなおじいちゃんです。

アルツハイマー型認知症がかなり進行していて、日常生活のほとんどに介助が必要でしたし、まともな会話はできませんでしたが、「お茶飲む?」「座ってください」などの簡単な言葉は理解できました。

Sさんは、食欲旺盛で健康でしたが、睡眠障害があり、夜はほとんど眠らない生活でした。

眠りについても30分もしないうちにドアが「バタン!」と開いて、Sさんがハイハイしながら満面の笑みで部屋から出てくるのです。

その姿がなんとも可愛くて(可愛いなんて失礼ですが)ニヤけてしまいます。

「どうしたの~眠れないの?」と聞くと食堂を指差して「あ~あ、あ~あ」とニコニコしながら訴えるのですが、私は「Sさん、もう遅いから寝ないとね」と抱えて車イスに乗せ、部屋まで戻るとSさんは残念そうな顔をしながらも布団に入ります。

ついでにオムツ交換をするのですが、Sさんはオムツ交換が嫌いで、いつもズボンを押さえて「いーよいーよ」と嫌がります。

昼間、Sさんはお茶をよく飲む方なので、尿量がとても多く、一晩に4回はオムツ交換が必要でした。

私とSさんは、『ハイハイで起きてくる→寝かせる→オムツ交換嫌がる→あれこれ話しかけ気を逸らせて取り替える』という一連の攻防戦を毎夜何回となく繰り広げるのです。

そんなある日の夜、Sさんが発熱しました。
上司の判断ですぐに受診することになりました。

私は、病院に行く前にオムツ交換と着替えをしようとSさんに声かけしズボンを脱がせようとすると・・・いつもなら「いーよいーよ」と嫌がるのに、その日はうっすらと目を開けるだけでした。

そんな辛そうなSさんが、私がオムツ交換している時、突然にゆっくりだけどハッキリした口調で「いつもありがとうね・・」と言ってくれました。

初めてのことで、私は感極まってしまって涙が溢れました。
でも、それと同時になんとも言えない嫌な予感がしたのを覚えています。

予感は当たってしまいました。
Sさんは4日後に病院で亡くなりました。肺炎でした。

重度の認知症で何も分からないと言われていたSさんが、最後に言ってくれた「いつもありがとう」を私はたまたまだとか偶然だとは思いません。

認知症の人だって、真心込めて介護していれば絶対に伝わるのです。
私はSさんからそう教わりました。

・トイレ頻回おばあちゃん

もう一人忘れられない利用者さんがNさん(90歳)というおばあちゃんです。

Nさんは身長130cmの細くて小さくて可愛らしいおばあちゃんですが、そんな見た目とはうらはらに、とても気が強く頑固で、人に厳しい方でした。

Nさんはレビー小体型認知症で、幻視、妄想、認知の変動などの症状があり、特に夜間の異常行動と頻回のトイレ介助が大変でした。頻回と言っても5回6回じゃなく、消灯から明け方までの間に10分おきですよ!もっと早い時は5分!それが一晩中ですからさすがにこちらも疲弊します。

Nさんは足が悪く自立はできないため、訴えがあると部屋で叫びます。

昼間は穏やかなのですが、夜間になると急に不穏になり、職員が間違えた声かけをしようものならすごい形相で怒り出します。

そして消灯後は10分おきに部屋から「おしっこーー!おしっこーー!
おしっこだよー!ちょっと!!聞こえないのかい!」と絶叫です。

その度に車イスに乗せトイレに連れて行き介助します。
しかし、尿が出るはずはありません。10分おきですから。

この症状は、レビー小体型認知症による「夜間せん妄」の一症状である「夜間頻尿」ということでした。
何かストレスや不安に感じていることがあると、夜間にこういった症状が出ることがあるのだそうです。

私はNさんが、なぜこのような状態になったのかが気になり、Nさんの背景を知りたくなりました。
そして、ケアマネージャーにお願いをして、情報共有して頂きました。
話を聞いて私は、Nさんに現れている激しい症状に納得したのです。

Nさんは、グループホームに入居する前は長男夫婦と同居していたそうですが、認知症が進み、家族で介護することが難しくなったという理由で入居されたそうです。

しかしそれは表向きの理由で、本当はNさんは長男夫婦から日常的に虐待を受けていたということでした。
認知症による失禁で布団や畳を汚すと、柱に縛り付けられて叩かれていたそうです。

私は想像しただけで胸が痛く苦しくなりました。
なんて酷いことを..だからこんなにも夜間頻尿になってしまって..

失禁したら叩かれる恐怖とストレスが、酷い尿意切迫感や不穏、激しい認知の変動となって現れたのです。

「Nさん、そんな辛く悲しい思いをしてきたなんて...」と思うと、10分おきのトイレ介助が大変だなんて言っていた自分が恥ずかしく、情けなくなりました。

それから私は、より一層『介護とは利用者さん本位』を心がけ、寄り添った介護に努めました。

その甲斐あってNさんは、少しずつですが夜間に落ち着いていることが多くなり、トイレに行く頻度が減ってきたのです。

その後しばらくしてNさんは圧迫骨折のため入院してしまい、その間に私が退職してしまったので、もう会うことはありませんでしたが、Nさんにはとても深く関わったので、今でも時々思い出します。

グループホームで働いて感じたこと

グループホームは認知症の高齢者ばかりですので、意思の疎通はとても困難ですし、認知症の症状もさまざまです。
そういう人たちを介護・支援するのは容易なことではありません。

しかし、誰も最初からそうだったわけではありません。
どんなに大変な人でも、それは認知症という「病気」の「症状」であって、その人の「人格」の問題ではないということです。

また、人それぞれ違うバックボーンがありますから、介護士はそこまで理解して、その人に合った介護・支援をすることがとても重要なのです。

私はお年寄りと接する時、必ずこう思いながら接してきました。

「今、何もできなくなった人でも、かつての激動の時代を生きてきて、一生懸命働いて、必死に子育てして頑張ってきたんだ。だから今この豊かな時代があるんだ」と。

そんな風に考えると、高齢者に対して尊敬の念を抱かずにはいられません。
なにより人生の大先輩ですから、そばにいると学ぶことばかりです。

毎日、尊敬する人たちに囲まれてお手伝いができるなんて、こんなやりがいのある仕事は他にないと、私は思います。

  • コラムカテゴリー : 介護

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